JAAC2023年2月交流会@オンライン 活動報告
令和5年2月18日(土)14時30分〜 オンライン交流会
テーマ:「円形脱毛症新治療薬JAK阻害剤について」
参加人数:8名
円形脱毛症の治療について、新治療薬JAK阻害剤に期待を寄せる方は多いのではないでしょうか。これまでの患者会で話題としてきたポイントの他、今回の交流会の参加者で、JAK阻害剤を服用中の当事者の方1名による、服用中の印象についてお話を伺えました。
●JAK阻害剤の基礎知識
・対処療法である。
・半年以上、頭髪の50%以上に脱毛が見られる方に処方が可能。
・費用は1か月44,000〜45,000円ほど。
・レントゲン、CT、血液検査を経て、問題が無ければ処方される。
・肝臓、腎臓に疾患がある場合は服用できない。
・ごくまれに悪性腫瘍が増える。
・免疫を抑える薬なので、帯状疱疹になる方もいる。
・効果が見られない場合もある。
●JAK阻害剤を服用されている方の印象(2022年12月〜2023年2月現在服用中/男性)
・眉毛が生えてきた。
・細い頭髪が生えてきた。
・加入している保険から高額医療費の補助を受けることができた。
症状改善についてはおおよそ好印象だが、まだ回復への上昇グラフは想像できないとのこと。飲まない期間があれば抜けてしまうのかなあ、という不安はあるということでした。
●植木先生より補足情報をご紹介します。
・効果があるまで6〜9か月かかる前提で服用。
これまでの治療と同様に、万人に効果がある保証はない。早い方は1か月で効果がある。
・膀胱炎やCOVID、帯状疱疹になった場合はJAK阻害剤の服用を一旦停止するが、
1〜2週間ほどの服用停止で脱毛症の症状悪化にはつながらない。
・妊娠中は服用できない。
・高校生以上は服用可能。
・JAK阻害剤:オルミエント2mg〜4mgで副作用の現れ方に変わりはない。
・高額医療費控除を受ける事ができるか否かは、各人加入している保険の確認が必要。
・状態が落ち着けば3か月分の処方が可能。
・アトピー性皮膚炎を併発されている方は、塗り薬の塗布が不要になる。
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JAK阻害剤の服用を躊躇する理由として、高額であることと、対処療法であることは大きいと思います。ですが、高額医療費控除が利用でき、また高い確率で発毛の効果があるとすれば、数年後にはウィッグにかかる費用が不要となる可能性に個人的に惹かれました。
ちなみに私は肝機能に障害があることを交流会終了後にハッと思い出して、そもそも処方頂けないことにガッカリしておりますが、JAK阻害剤の可能性には胸が躍るものがありました。ここからまた研究が進み、さらに汎用的な治療法が発表されることに期待します。
他、参加者の方より脱毛症状改善のために、望ましい食事や栄養法についての質問があり、
効果が期待できそうな栄養素としてビタミンDや亜鉛が挙げられましたが、植木先生からは、これらに限らずバランスの良い栄養摂取を心掛け、十分な睡眠をとり、腸内環境を整えるなど、健康的な生活を心掛けるに越したことはないというお話がありました。
JAK阻害剤を服用する際には免疫機能の低下が心配なので、いずれにせよ健康的な生活は心掛けることが良いでしょう。
脱毛症の発症原因は様々な事象が考えられるのに、完治はままならないという現実があります。確実な治療法が無いためもあって、当事者は藁にもすがる思いになることも多いと思われます。そんな当事者の切なる思いに付け込み、発毛効果をうたった健康食品などを売りつけようとする悪徳な商売人には気を付けるようにして下さい。
参加者の皆様、大変ありがとうございました。
参加を検討されている皆様、ぜひ気軽に、お話しをしにいらして下さいね。
また、交流会で取り上げて欲しいテーマなどございましたら、どうぞ教えてください。
今後もJAACをよろしくお願いいたします。
福山 優子
■参加者ご感想
◇円形脱毛症を改善するのではないかと興味を持った栄養素などについての質問を色々させていただいたところ、植木先生に丁寧に答えていただいて大変勉強になりました。ありがとうございました
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