JAAC2022年12月交流会@オンライン 活動報告
JAAC2022年12月交流会@オンライン 活動報告
日時 : 2022/12/17(土) 14:30〜16:30
開催方法: Zoomオンライン会議
参加人数:9名
活動報告
今回は『円形脱毛症に替わる病名について』をテーマに交流会を行いました。テーマに入る前に植木先生から治験開始となったJAK阻害剤についてお話がありました。
◎JAK阻害剤
・費用負担は3割負担で45,000円/月程度で決して安くはない。
・治験対象者は発症して8年以内、頭髪50%以上脱毛している重症者。海外では全脱毛(脱毛領域80%以上)の患者のうち、回復できた人が全体の40%だった。
・日本国内においては50%の患者に同様の回復が診られた。
・服用して早い人は3ヶ月で効果が診られる人もいるが、一般的には効果判定に9ヶ月を要する。1年くらいは服用を続けるべき。
・服用中は副作用の検査が定期的に必要。状態が安定すれば3ヶ月ごとの通院も可能になる。
◎テーマ『円形脱毛症に替わる病名について』
病名の変更事由としては、脱毛部分が決して円形ではなく実態を反映していないこと、なによりもこの名称が時に笑いを誘うこともあり、一般社会に正しく理解されていない事などがあります。参加者から下記の代替名称案が出されました。
自己免疫疾患による脱毛症(自己免疫性脱毛症)
免疫性脱毛症
「円形」を除いて、汎発性脱毛症
アロペチア
AA症
上記の通りですが、一般社会の人たちに実態が分かりやすいものにして定着したイメージを払拭したいと考えます。同時に、患者の肉親の立場としては、あまり深刻な響きの名称は避けてもらいたいという意見もありました。
この病気も世の中では少数派です。まわりと同じであることに安心感を求める社会においてはいわばマイノリティであり
社会からの理解も得にくくなっています。個性を大事に、多様性の尊重と唱えながらも実態は異なっています。
メディアでは髪のないことをお笑いの対象となることが多々ありますが、こういったことに規制をかけ社会の理解を正しい方向に持っていくことも必要。放送倫理・番組向上機構(BPO)に申請することも検討すべき。
代替名称についてはJAACとして皮膚科学会に事由を添えて申請を準備することにした。
◎その他 〜遺伝性について
アロペチアの遺伝性についてははっきりと判明していない。人種によって遺伝性のものが発症する場所が異なっている。
一卵性双生児でも同じ遺伝性を持っていてもそれが発症するかどうかはストレスなど社会的要因によってスイッチが入るかどうかにようるものではっきりとわからない。
親子間で同じ症状がでる方よりも、兄弟間で同じものが発症する確率のほうが高い。
他にもいろいろと意見交換ありました。代替名称も含めて、社会から正しい理解を得るためにもJAAC交流会が少しでも役立てばと思います。ご参加くださった皆様、貴重な意見や経験を共有して頂きありがとうございました。またの多くのご参加をお待ち申し上げております。
井上裕雄
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