JAAC2021年4月交流会@オンライン 活動報告
日時 : 2021/4/17 14:30〜16:30
開催方法 : ZOOMのオンライン会議
参加人数 : 9名
■活動報告
JAAC活動報告
令和3年4月17日(土)・14時30分〜オンライン交流会
今回はカミングアウトついて皆さんとお話しをしました。様々なご意見がある中、参加者のお一人が中盤に、とてもシンプルに真髄を表現されていたのではじめにご紹介します。
「人によって脱毛症との向き合い方が違うので、カミングアウトするもしないも、正解が無いですよね。」
文章にすると身も蓋も無いような言葉になってしまいますが…いくつかのご意見を頂いた後、相反する意見もすべてを執り成して頂くように発言頂いたので、とても印象に残りました。
まずは家族に対してのカミングアウトについて、幼少の頃に発症した方は親が発症に気付く事も多く、同居していれば隠す事も難しいでしょうからカミングアウトという言葉が適当か分かりませんが、「家族は症状を知っている」という方がほとんどでした。心配するあまり家族からの過干渉があって当事者が辛い時もあるかもしれませんが、それこそ親身に治療やQOL向上の手助けをしてくれたり、生活を共有して一緒に悩んだり考えたりしてくれるかけがえの無い存在だと思います。
知人や友人に対してのカミングアウトについて、「学生時代にはカミングアウトは考えられなかった」という意見が多かったです。「学校は閉鎖的な空間で、服装も髪型も均一性を求められ、異質なものは排除しようとする」傾向があり、健常者でもふとしたきっかけで傷付け合う事が多いと思います。毛髪が無い事やウィッグを着用する事は、まさに異質なものと扱われやすいでしょうから、用心するのは当然だと思われます。
社会人になってからのカミングアウトについては、カミングアウトする派、しない派、まさに様々でした。職場ではカミングアウトせず、限られた親しい友人にはカミングアウトしている、という方が多かったです。職場でカミングアウトする必要性やメリットをあまり感じ無いという方がいらっしゃっる一方で、私などは、思わぬところでウィッグであることがバレたり、影で噂されるよりは、カミングアウトしておいた方が気楽だと感じます。男性の場合スキンヘッドがファッションのひとつと認識されていますし、女性でも帽子を素敵に着こなしてウィッグを着用せず生活されている方もいらっしゃって、ファッションですか?素敵ですね!と、スタイルが話題になったことでカミングアウトに繋がった場合もあるようです。
カミングアウトしたくない理由に、脱毛症の原因がストレス一本と思われている風潮が挙げられます。脱毛症と言えば、いわゆる「10円禿げ」としか想像されず、心の弱い人と勘違いされ、学校の内申や職場での評価に影響する事も考えられます。そして頭髪が無い事やウィッグ(カツラ)が嘲笑の対象になってしまう文化、また剃髪で贖罪を表現する文化には全く悩まされてしまいます。
脱毛症には全身に及ぶ重篤な症状もある事を世間一般に認知頂きたいというところで、カミングアウトの極端な例になってしまいますが、近頃はメディアに出演される当事者の方を時折お見かけし、本当に有難い事と感謝しています。SNSで発信される当事者の方もたくさんいらっしゃって、私も数人の当事者ブロガーに勇気をもらい、救われた経験があります。カミングアウトする事で自分の経験が誰かの役に立つことも多いにあることだと思います。
しかしカミングアウトするしない、そしてそのやり方は、それぞれが置かれている環境や、その人の性格によって本当に様々で、自由で、冒頭の言葉通り正解がありません。自分がどうしたいのかを最優先で考える事が一番です。それを探る手段のひとつとして、患者会JAACの交流会が少しでもお役に立てればと思っています。
ご参加下さった皆様、貴重な経験談や意見をお話し頂き大変ありがとうございました。また、たくさんの方のご参加を心よりお待ちしております!
福山 優子
■参加者ご感想
◆カミングアウトということで、友人・知人との付き合い方で大きな変化がでたというのは予想してましたが、それでも衝撃的で他人事と捉えられることはできませんでした。
異質なもの、マイノリティを無意識に排除していこうという意識がダイバーシティの世の中になってもあるのだなと感じます。
アロペチアであっても変わらぬ接し方をしてくれる人に真摯に感謝します。
◆毎回参加者の皆さんとお話する中で新たな気づきをいただける会です。
普段ぼんやりと思っていたことを言葉にすることで、自分の中で整理できたりしています。
小中学生の頃は、この病気に囚われすぎて、私のアイデンティティ=脱毛症だけになってしまっていたのかなと、いま振り返ってみると思います。
年齢とともに自分の世界が広がって、時間は長くかかったけど脱毛症は私のアイデンティティの一部で全部ではないと思えるようになりました。
当時、ウィッグが空港の金属探知機に引っ掛かるんじゃないかとビクビクしながら海外に行ってみたこともいい経験だったなと思います。
円形脱毛症=ストレスが原因ではなく、自己免疫疾患だということ「円形脱毛症」といっても、円形に限らず、髪の毛どころか全身に広がる病気だということの2つを多くの人に理解してもらえるようになるといいですね。
それまでは、何人かの方がおっしゃっていましたが、病気のことを説明するときには「円形脱毛症」という病名を使わずに、「自己免疫疾患で脱毛している」と説明したほうが正しく理解してもらいやすいのかもしれません。
とにかく堂々としていればいいと最近は開き直っています。きっと年齢を重ねたからかな、これから病気に対する向き合い方もまた少しづつ変わってくるのかなと感じています。
この病気に対する向き合い方、カミングアウトする・しない、治療をする・しないなどほんとうに人それぞれで、正解とか、良い・悪いはないと思っています。ただ、いろんな方の意見や経験談を教えていただけるのは嬉しいです。これからも、どんな考えであっても否定されない、安心して参加できる会であればいいなと思います。私もつい、こうしたほうがいいよ!などと言ってしまわないように気をつけようと改めて思っています。
普段はできない当事者どうしの話から、他愛ないダイエットの話まで、みなさんとお話できるのが本当に助けになっています。いつもありがとうございます。
次回の開催も楽しみにしています。
令和3年4月17日(土)・14時30分〜オンライン交流会
今回はカミングアウトついて皆さんとお話しをしました。様々なご意見がある中、参加者のお一人が中盤に、とてもシンプルに真髄を表現されていたのではじめにご紹介します。
「人によって脱毛症との向き合い方が違うので、カミングアウトするもしないも、正解が無いですよね。」
文章にすると身も蓋も無いような言葉になってしまいますが…いくつかのご意見を頂いた後、相反する意見もすべてを執り成して頂くように発言頂いたので、とても印象に残りました。
まずは家族に対してのカミングアウトについて、幼少の頃に発症した方は親が発症に気付く事も多く、同居していれば隠す事も難しいでしょうからカミングアウトという言葉が適当か分かりませんが、「家族は症状を知っている」という方がほとんどでした。心配するあまり家族からの過干渉があって当事者が辛い時もあるかもしれませんが、それこそ親身に治療やQOL向上の手助けをしてくれたり、生活を共有して一緒に悩んだり考えたりしてくれるかけがえの無い存在だと思います。
知人や友人に対してのカミングアウトについて、「学生時代にはカミングアウトは考えられなかった」という意見が多かったです。「学校は閉鎖的な空間で、服装も髪型も均一性を求められ、異質なものは排除しようとする」傾向があり、健常者でもふとしたきっかけで傷付け合う事が多いと思います。毛髪が無い事やウィッグを着用する事は、まさに異質なものと扱われやすいでしょうから、用心するのは当然だと思われます。
社会人になってからのカミングアウトについては、カミングアウトする派、しない派、まさに様々でした。職場ではカミングアウトせず、限られた親しい友人にはカミングアウトしている、という方が多かったです。職場でカミングアウトする必要性やメリットをあまり感じ無いという方がいらっしゃっる一方で、私などは、思わぬところでウィッグであることがバレたり、影で噂されるよりは、カミングアウトしておいた方が気楽だと感じます。男性の場合スキンヘッドがファッションのひとつと認識されていますし、女性でも帽子を素敵に着こなしてウィッグを着用せず生活されている方もいらっしゃって、ファッションですか?素敵ですね!と、スタイルが話題になったことでカミングアウトに繋がった場合もあるようです。
カミングアウトしたくない理由に、脱毛症の原因がストレス一本と思われている風潮が挙げられます。脱毛症と言えば、いわゆる「10円禿げ」としか想像されず、心の弱い人と勘違いされ、学校の内申や職場での評価に影響する事も考えられます。そして頭髪が無い事やウィッグ(カツラ)が嘲笑の対象になってしまう文化、また剃髪で贖罪を表現する文化には全く悩まされてしまいます。
脱毛症には全身に及ぶ重篤な症状もある事を世間一般に認知頂きたいというところで、カミングアウトの極端な例になってしまいますが、近頃はメディアに出演される当事者の方を時折お見かけし、本当に有難い事と感謝しています。SNSで発信される当事者の方もたくさんいらっしゃって、私も数人の当事者ブロガーに勇気をもらい、救われた経験があります。カミングアウトする事で自分の経験が誰かの役に立つことも多いにあることだと思います。
しかしカミングアウトするしない、そしてそのやり方は、それぞれが置かれている環境や、その人の性格によって本当に様々で、自由で、冒頭の言葉通り正解がありません。自分がどうしたいのかを最優先で考える事が一番です。それを探る手段のひとつとして、患者会JAACの交流会が少しでもお役に立てればと思っています。
ご参加下さった皆様、貴重な経験談や意見をお話し頂き大変ありがとうございました。また、たくさんの方のご参加を心よりお待ちしております!
福山 優子
■参加者ご感想
◆カミングアウトということで、友人・知人との付き合い方で大きな変化がでたというのは予想してましたが、それでも衝撃的で他人事と捉えられることはできませんでした。
異質なもの、マイノリティを無意識に排除していこうという意識がダイバーシティの世の中になってもあるのだなと感じます。
アロペチアであっても変わらぬ接し方をしてくれる人に真摯に感謝します。
◆毎回参加者の皆さんとお話する中で新たな気づきをいただける会です。
普段ぼんやりと思っていたことを言葉にすることで、自分の中で整理できたりしています。
小中学生の頃は、この病気に囚われすぎて、私のアイデンティティ=脱毛症だけになってしまっていたのかなと、いま振り返ってみると思います。
年齢とともに自分の世界が広がって、時間は長くかかったけど脱毛症は私のアイデンティティの一部で全部ではないと思えるようになりました。
当時、ウィッグが空港の金属探知機に引っ掛かるんじゃないかとビクビクしながら海外に行ってみたこともいい経験だったなと思います。
円形脱毛症=ストレスが原因ではなく、自己免疫疾患だということ「円形脱毛症」といっても、円形に限らず、髪の毛どころか全身に広がる病気だということの2つを多くの人に理解してもらえるようになるといいですね。
それまでは、何人かの方がおっしゃっていましたが、病気のことを説明するときには「円形脱毛症」という病名を使わずに、「自己免疫疾患で脱毛している」と説明したほうが正しく理解してもらいやすいのかもしれません。
とにかく堂々としていればいいと最近は開き直っています。きっと年齢を重ねたからかな、これから病気に対する向き合い方もまた少しづつ変わってくるのかなと感じています。
この病気に対する向き合い方、カミングアウトする・しない、治療をする・しないなどほんとうに人それぞれで、正解とか、良い・悪いはないと思っています。ただ、いろんな方の意見や経験談を教えていただけるのは嬉しいです。これからも、どんな考えであっても否定されない、安心して参加できる会であればいいなと思います。私もつい、こうしたほうがいいよ!などと言ってしまわないように気をつけようと改めて思っています。
普段はできない当事者どうしの話から、他愛ないダイエットの話まで、みなさんとお話できるのが本当に助けになっています。いつもありがとうございます。
次回の開催も楽しみにしています。
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